書評

茹だってます

私が紹介するまでもありませんが、学研の図鑑制作裏話。猛烈に面白いです。私は文庫や新書は風呂で読んでいるのですが、いつも15分で上がるところを、この本では気がつくと30分近く経っています(風呂が冷めてきて自動で追い焚きのスイッチが入り、それで我…

良い本見つけた

来週から「環境研究倫理特論」の担当回が始まる。私はアカハラについての話をするのだが、当事者になったことはあるとはいえ、勿論その専門家ではないのでそれなりに勉強する必要がある。ハラスメントに関する本はいくらか読んでいるが、著者が弁護士の場合…

アップデート

コロナにより学生の登校日数が少なくなってから大学生協を応援するべく、生協でなるべく本を買うようにしています。ところで今日、1回生の「環境生物学Ⅰ」で使っているテキストの改訂版が出たのを知りました。旧版もとてもよい教科書でしたが、日本語訳が出…

黙らない、黙らせない

中高生向けに書かれた人権啓発書ですが、「ずるい言葉」を使う立場?にある大人にもぜひ読んでほしい本です。 差別やハラスメントというと、人を傷つけたり、人にイヤな思いをさせる言動と考えられるかもしれませんが、それは差別やハラスメントの一部にすぎ…

書評を書きました

寄生虫のはなし ―この素晴らしき,虫だらけの世界― 発売日: 2020/10/03 メディア: 単行本(ソフトカバー) 日本生態学会ニュースレターに書評を書きました(どさくさ紛れに寄生虫生態学・疫学談話会の宣伝も) https://esj.ne.jp/esj/newsletter/No53.pdf

微視から巨視まで

なぜ田んぼには多様な生き物がすむのか(2020.10新刊 京大学術出版会) なぜ田んぼには多様な生き物がすむのか 発売日: 2020/10/30 メディア: 単行本 毎年12月に研究発表会を行っている水田生物研究会の常連メンバーを中心に、メジャーからマイナーまで水田…

忙中暇あり

明日からの実習の準備やレポート採点で一日大車輪。よく頑張った。 その合間を縫って、ちょっと話題になっている本が到着したのでざっと読む。 ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書) 作者: 宮口幸治 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2019/07/12 メディ…

ツッコミ

三浦慎吾さんの大著「動物と人間」、帰宅後に少しずつ読んでいます。動物(特に哺乳類)と人の関係史を概観するのに面白いけれど、ちょっと粗も気になりますね。特に聖書に関するところは、自分が親しんでいるだけにいちいち引っかかってしまいます。例えば…

寄生虫学番外地【中古】ジャンル: 本・雑誌・コミック > 稀覯本ショップ: 大黒堂書店価格: 6,480円書評というか、感想です。昭和51年刊、元寄生虫学会会長の森下薫先生による寄生虫エッセイです。日本の寄生虫学主流の発展から寄生虫にかかわる民俗、逸話、…

まちぶせるクモ: 網上の10秒間の攻防 (共立スマートセレクション)作者: 中田兼介,辻和希出版社/メーカー: 共立出版発売日: 2017/03/08メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る生態学会から戻ったら届いていました。共立出版さんお勧めの「良書」…

また実家に寄って2カ所ほどで仁義を切ってから新幹線の客となる。旅のお供は、早大近くの古書店で手に入れたこの本。都市が滅ぼした川―多摩川の自然史 (1973年) (中公新書)作者: 加藤辿出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1973メディア: 新書この商品を含む…

せっかくなので本文コピペしておきます。Parasitology: A Conceptual Approach作者: Eric Loker,Bruce Hofkin出版社/メーカー: Garland Science発売日: 2015/03/02メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る 寄生虫生態学を志す学生にとって「待望の教科…

動物のふしぎなすがた (びっくり! おどろき! 動物まるごと大図鑑)作者: 中田兼介出版社/メーカー: ミネルヴァ書房発売日: 2016/10/10メディア: 大型本この商品を含むブログ (2件) を見る同輩であるkensuke_nakata氏による子供向け科学絵本。個人的には、「毛…

絵で分かる寄生虫の世界

絵でわかる寄生虫の世界 (KS絵でわかるシリーズ)作者: 長谷川英男,小川和夫出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/10/18メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (4件) を見る届いたので早速目を通しました。まず最初に一つ言っておくと、「絵…

貝のストーリー: 「貝的生活」をめぐる7つの謎解き作者: 中嶋康裕出版社/メーカー: 東海大学出版部発売日: 2016/04/18メディア: 単行本この商品を含むブログを見る貝類学会にはとんとご無沙汰のm-urabeですが、中嶋さんの編集になる、最近の若手研究者による…

嘘と絶望の生命科学

同僚のH先生絶賛お勧めの本。帯は「カネと名誉と成果:ブラック企業化する研究室ーSTAP細胞事件の背景をえぐるレポート」だが、所謂研究不正の問題にとどまらず、このような体質が日本の大学や研究所に蔓延するに至った国の政策までをわかりやすく解説してい…

感染症の生態学

自分も1章書いているので、書評じゃなくて宣伝です。もうすぐ出ます。著者割できます。感染症の生態学 (シリーズ現代の生態学)作者: 日本生態学会出版社/メーカー: 共立出版発売日: 2016/03/09メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る

博士たちのエコライス

「博士たちのエコライス(ネーミングセンスはノーコメント)」、別名「ハッタミミズ米」の仕掛け人、K出今実験圃場のヌシである小池名誉教授の本が出ました。無農薬、不耕起栽培を目指して8年間、耕作しないと田んぼの状態が毎年リセットされず、環境がどん…

Parasitology: A Conceptual Approach

生態学・進化生物学方面から寄生虫について勉強したいと思っている学生諸君に、やっと良い教科書が出ました。現時点では断然お勧めです。これの訳本出したいなあ…。Parasitology: A Conceptual Approach作者: Eric S Loker,Bruce Hofkin出版社/メーカー: Gar…

以外とマトモだった

ヘンな論文作者:サンキュータツオ発売日: 2015/03/26メディア: 単行本大学1年生にお勧め。Kindle版で2時間もあれば読めます。笑える実例ネタ(「公園の斜面に座るカップルの観察」「女子高生と男子の目」「元近鉄ファンの生態を探れ章」等々)を取り上げな…

アホウドリを追った日本人――一攫千金の夢と南洋進出 (岩波新書)作者: 平岡昭利出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2015/03/21メディア: 新書この商品を含むブログ (14件) を見る一気に読んでしまいました。明治期から戦前までの太平洋離島の開発史、というよ…

湖の世界をさぐる(西條八束・村上哲生著 小峰書店)

先の陸水学会で,企画シンポプレゼンテーターのI川さんから「小学校教諭を目指す人にぜひ読んで欲しい陸水の本」と推薦され,早速買いました。 小学校高学年を目安に書かれた本と思いますが、内容は大学教養ぐらいのレベルで,大人が読んでも十分読みごたえ…

虫博士の育ち方 仕事の仕方: 生き物と遊ぶ心を伝えたい作者: 高家博成,中山れいこ出版社/メーカー: 本の泉社発売日: 2014/07/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る編集・解説(&挿し絵)?の中山れいこさんから頂きました。多摩動物園昆虫館…

ミツバチの会議: なぜ常に最良の意思決定ができるのか作者: トーマス・D.シーリー,Thomas D. Seeley,片岡夏実出版社/メーカー: 築地書館発売日: 2013/10/14メディア: 単行本この商品を含むブログ (7件) を見るようやく読みきりました。動物行動学の元祖と言…

ミツバチの会議: なぜ常に最良の意思決定ができるのか作者: トーマス・D.シーリー,Thomas D. Seeley,片岡夏実出版社/メーカー: 築地書館発売日: 2013/10/14メディア: 単行本この商品を含むブログ (7件) を見る熟読する時間がまだないのだが,ぱらぱらめくっ…

カビ図鑑

カビ図鑑―野外で探す微生物の不思議作者: 細矢剛,勝本謙,出川洋介,伊沢正名出版社/メーカー: 全国農村教育協会発売日: 2010/07/01メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 114回この商品を含むブログ (3件) を見る実はまだ読んでいないんですが,今日の大学院の…

ぎりぎり合格への論文マニュアル

ぎりぎり合格への論文マニュアル (平凡社新書)作者: 山内士朗出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2001/09/19メディア: 新書購入: 13人 クリック: 273回この商品を含むブログ (65件) を見る見返しにはこう書いてある。 「あなたは、まだ良い論文を書こうと思って…

環境科学を学ぶ学生のための科学的和文作文法入門

とうとう出ましたK茂塾テキスト. 塾を受講したことのあるウチの学生諸氏は既にご承知のことと思うが,この本は「こう書きなさい」という指南書ないしドリルではなく、「自分が書いた文章がいかにダメか」をとことん気付かせるための本である。 普通、このよ…

河川環境の指標生物学

河川の生物モニタリングには、ざっと見ても、生物多様性国家戦略の基本資料となるような正確性を必要とする広域あるいは長期モニタリング、市民による環境監視などための簡易モニタリング、小中学生への環境教育などいくつかの目的がある。私個人としては、…

福岡県の水生昆虫図鑑

昨日届きました。なかなかマニア精神の横溢した本ですが、こういうのは貴重ですね。「水生昆虫」と銘打っているが、取り扱っているのは水生甲虫と半翅目の2つ。とはいえ、特に前者成虫の使いやすい図鑑というのはあまりないので、福岡県のみならず、西日本…