良い本見つけた

来週から「環境研究倫理特論」の担当回が始まる。私はアカハラについての話をするのだが、当事者になったことはあるとはいえ、勿論その専門家ではないのでそれなりに勉強する必要がある。ハラスメントに関する本はいくらか読んでいるが、著者が弁護士の場合とカウンセラーの場合では問題に対するアプローチが違い,いわばどちらもハラスメント問題の一面だけを扱っているため(もちろん、その一面に対しては専門的である)、「1冊で良い本」にはあまり出会ったことがないのが実情であった。実際のハラスメント相談に持ち込まれる相談内容でも、犯罪に該当しそうな行為、メンタルな病気や労働問題など、より専門的な機関で相談した方がよいと思われるケースはよくあり、相談員にはその種の相談を見極めて適切な部署へ繋ぐ力量が必要となる。しかし、大学での一般のハラスメント相談員の職掌範囲やその限界についてきちんと説明している本は今まで記憶になく、この本が初めてである。文章も読みやすく、引用データもしっかりしていて、ハラスメント研修のテキストとしてとても優れているという印象を受けた。相談員などの役職に当たった人は一度読んでおくことをお勧めする。