環境科学を学ぶ学生のための科学的和文作文法入門

とうとう出ましたK茂塾テキスト.
塾を受講したことのあるウチの学生諸氏は既にご承知のことと思うが,この本は「こう書きなさい」という指南書ないしドリルではなく、「自分が書いた文章がいかにダメか」をとことん気付かせるための本である。
普通、このようなテキストは、まず簡単な内容から始めて高度な内容へと展開して行くものだろうが、本書は逆である.最初に論文の章立てから始まって,段落間の論理関係,段落内の論理関係,1つの文の構造というように次第に細切れになってゆく。つまり、最初は卒論や修論といった「大学レベル」の文章形式から始まるのだが,「ダメだねえ意味が通じないよ,段落間の論理を見てみよう」…「え、それでもダメ?そもそも1つの文がきちんと書けていないんじゃない?」と、だんだん学生イジメをエスカレートさせていって、最後には中学1年レベルの日本語講座でビシバシしごくという鬼のような構成の本である。従って,本書を読むタイミングとしては、論文の第一稿をとりあえず書いたものの指導教員からコテンパンに駄目出しをされ、どう書き直してよいかわからずに困惑している…という状態の時がベストである。これから卒論や修論の執筆をするという学生が前もって読むと,怖くて文章がまったく書けなくなる恐れが多分にあるのでお勧めしない(笑)。
勿論、自分の文章の論理性にある程度の自信がある人は本書の最後まで付き合う必要はなく、適当なところで終わりにしていただいて構わない.しかし、学部生ならおそらく95%は本書を最後まで読む(そして青くなる)必要があるだろうし、ぶっちゃけて言えば大学教員の中にだってこれを読んでほしい人は結構いる。もう一度我が身を振り返って「正確な日本語を書く」ことを意識してみたい方にお勧め.

まだAmazonに出ていないようなので、出版社の方にリンクを貼っておきます。
http://www.sunrise-pub.co.jp/isbn978-4-88325-442-2/

あ、もちろんニリンソウの文例も…(にやにや)。