攻防戦

やっと編集長との攻防戦を終えて第二項を送信し、帰宅。これで通ればいいなあ。

今度の論文は、そのムシの分布記録や宿主記録程度の文献も網羅しているため、普通は引用しないような文献(地方行政研究所の年報、学会アブストラクト、オンライン公開されている修士論文等)も含まれている。これらの引用がなかなか大変なのだ。

(編集長)この雑誌の巻号が書いていない!駄目!(※日本の行政文書)

(私)行政文書には巻号がなくて「平成◯年度報告書」としか書いてないんです。

(編集長)著者名が研究所なんてありえない!書いたのは人だろう!(※中国の研究所の出版物)

(私)その本のどこを見ても著者名は書いてありません。「〇〇研究所編」とあるだけです。私は中国語が読めますから間違いありません(言ってやった)。

(編集長)出版年が2010-2011年と複数に渡るなんてナンセンスだ!(※ロシアの本)

(私)ナンセンスだという意見には賛同しますが、事実奥書にそう書いてあるんです…

(編集長)編集長名だけでなく、編者名は全員書くものだ!(※ロシアの本)

(私)書けというなら書きますけど、編者だけで45人もいるんですよ…

はあ、疲れた…

 

 

飼育開始

A君とI君2名の卒論のセッティング。用水路2箇所でカワニナを取る予定だったのが雨で1箇所になってしまった。カメに咬まれたような割れ傷だらけのカワニナだったが(実際、近くに卵殻が落ちていた)約300個体を拾って隔離飼育(ただし、今日はこの時期にしては水温が低すぎてセルカリアはほぼ出ず)。またお隣の水試から感染実験に使う養殖魚を300匹近く分与してもらい、これは湖沼施設の屋内大型水槽へ。

ムシを探して

今日は涼しくて外歩き日和だったので、大学周辺の水田でナガオカモノアラガイを探しに行きました。

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以前しばしば本種を見つけていた田んぼは、今年は転作で麦田になっていました。環境が変わったのでいるかな?と思いましたが、溝の周辺に少ないながらちゃんといました。

この貝は言わずとしれたロイコクロリディウムのお宿です。旭川医大の研究によるとロイコの感染が多いのは梅雨時だそうです。彦根の田んぼにはロイコの終宿主になりそうなツグミ科、あるいはその近縁群の小鳥がほぼいないので、感染貝が見つかる可能性は限りなく低いのですが、なんとか自分の目で一度は見つけてみたいと思っています。ロイコは日本では北海道と沖縄で比較的よく発見されますが、本州での記録は非常にまれで、九州・四国からは記録がありません。北海道のように樹林帯の中に湿地があるような場所(想定終宿主はクロツグミ)か、海岸近くの水田・湿地(同・イソヒヨドリ)が狙い目かもしれません。

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専門性って何だっけ

ちょっと必要があって他大学のシラバスを見ているのだけれど、知り合いの研究者の方々が大学でどんな授業科目を担当されているのか知って結構ビックリしたりする。生物で学位をとったはずの人が物理を教えていたり、地学専門の人が分析化学を教えていたり(まあ、ウチでも生物系の教員が地学系の実習を担当したりしているんだけれど)。随分昔の話ではあるが、以前勤めていた教育大で、遺伝学が専門のある教授は着任直後は幼児教育を担当させられたという話を聞いたことがあるが、そこまでメチャクチャではないにしろ、現在も相当無茶な科目を担当させられることもあるらしい。

今見ておくべきこと

「環境フィールドワークI」2度目のレポート採点中。今年は遠隔のため、各自自宅近くの川や池を観察するという内容だが、かなりの学生がコロナの外出自粛の影響を何か発見している。人通りが減ってゴミがなくなった、逆に近所の人が運動のため散歩するようになり、目立たない場所に放置されていたゴミが減った、人がいないと魚が悠々と泳いでいたが人影があると橋の下などに集合していた、地域による水路掃除が中止されたので雑草で水路が埋まった、琵琶湖周りの公園の駐車場は封鎖されたが違法な路駐の車が溢れた等々。こんなに社会が大きく動くことはそうそうないので、環境学を学ぶ学生が今、環境の状態をよく観察して、あとで「あの時はこうだった」と思い出せたらきっと貴重な財産になると思うよ。