FAXとリモートワーク

昨年末のCABIの講読契約更新がうまく行っていなかった理由がようやく判りました。クレジットカード番号をFAXでCABIのオフィスに送ったのですが、それが別のFAXに転送される設定になっていたようです。そして、現在オフィスには最小限の人数しか出勤していないため(イギリスは厳しいロックダウン中!)、転送番号にFAXが届いていることに気がつかなかったようです。これもコロナ禍の一つの影響ですね。それにしても、CABIは早く購読料をオンライン支払いできるようにしてほしいものです…

2日目

今日は学生たちのポスターセッションの日です。下は1回生から上は博士課程まで、学部生は主に琵琶湖の環境の紹介を、院生は自分の研究発表をしました。皆、予想していたよりずっと英語が上手でびっくり、大したものです。

こちらの発表ではやはり、滋賀のせっけん運動がかなりフィリピンの参加者の興味を引いたようで、「メーカーからの反発はなかったのか?」等々の熱心な質問がありました。フィリピンでは相変わらずリン酸塩主体の洗剤が販売されており、富栄養化の大きな負荷になっているようです。また、フィリピン側では在来の植物から医薬品等として有用な物質を探している研究室の発表がいくつかありましたが、植物の遺伝子資源が豊富な熱帯地方ならではという印象を受けました。

オンライン国際シンポ

今日からフィリピン・サントトーマス大学との合同プログラムです。例年なら学生を連れて相手校を訪問し、講義を受けたりフィールドワークをしたりというプログラムですが、今年はオンライン開催となりました。1日目の今日は教員・研究者によるシンポジウムで、コロナ下での研究・教育についての発表。サントトーマス大の発表がコロナ治療薬の開発の話から言語学のリモート授業の話まで多岐にわたり、なかなかフォローが大変でした。特にウチの方は学部生が何人も参加しているのでチンプンカンプンだったかもしれませんが、Zoomを見ながら教員4人が総力戦でLineで要点を解説するという二刀流の荒業を使いました。ワクチン接種拒否者は日本同様にフィリピンでも問題で、アンケートでは1割の人が「あまり打ちたくない」「絶対に打ちたくない」と答えているそうですが、ワクチンへの懸念の第一位が「偽ワクチンかもしれない」というのはちょっと日本とは違う理由のようでした(副作用や効果への疑問は2位以下でした)。日常的に、医薬品に対する不信があるのでしょうか。

アップデート

 コロナにより学生の登校日数が少なくなってから大学生協を応援するべく、生協でなるべく本を買うようにしています。ところで今日、1回生の「環境生物学Ⅰ」で使っているテキストの改訂版が出たのを知りました。旧版もとてもよい教科書でしたが、日本語訳が出てから10年たって内容が古い箇所もやや目につくようになり、3年ほど前から教科書を代えたものかどうか迷い始めていたので、新版が出たことはとても嬉しいです。早速買って中身をチェックしてみましたが、思った以上にすっかり刷新され、up to dateな内容になっています(原書は2017年版)。この中身の濃い本を翻訳した訳者の方々、手頃な新書判で出版してくれた講談社には本当に感謝です。私も来年の講義が始まるまでによく勉強しておかなくてはなりません。

online.univ.coop

 (あえてAmazonではなく大学生協のオンライン書籍注文サイトにリンクを貼っておきます。大学の方はこちらから注文しましょう)。

 

 

黙らない、黙らせない

 中高生向けに書かれた人権啓発書ですが、「ずるい言葉」を使う立場?にある大人にもぜひ読んでほしい本です。

差別やハラスメントというと、人を傷つけたり、人にイヤな思いをさせる言動と考えられるかもしれませんが、それは差別やハラスメントの一部にすぎません。実際には相手(学生など、多くは若い人)の無知や経験不足につけ込み,相手の権利を踏みにじる行為を「嫌がっていないから」と正当化するハラスメントは非常に多いのです。

「学生(アルバイト、任期付き職員、非常勤職員、助手、ect…)の立場では××はできないよ(←嘘)」

「職場でのトラブルを広めると、あなたの評判が悪くなるよ」

「あなたがそれを広めると『京大動物生態はダメだ』ということになって後輩たちの就職にも響くよ」

…全部言われた経験アリです。

著者は新聞でのインタビューの中で「良心ではなく知識を」と述べていますが、これは「環境研究倫理特論」の方針(道徳教育ではなく知識と技術の教育)と一致します。私も「環境研究倫理特論」の導入部で「あなたのため」という甘言で学生に余計な仕事などを押し付けてくる教員には気をつけろ、と言っています。ハラスメントをしている人というのは自分がそうしているという意識は全くなく、ただ自己正当化をしているだけなのですから(もしかすると私もどこかでしているかもしれませんが)研修などによってきちんと、何が問題なのかを意識化していく必要があります。本書はそのためにはうってつけの一冊です。

実は、今ウチの学部の人権問題研修の資料として「環境研究倫理特論」の講義資料を学部教員に公開中です。人権問題研修というと「××はハラスメントなのでしてはいけません」のような「べからず集」だと思われるかもしれませんが、実は私の資料の中には「効果的なハラスメントのやり方」というのがあります。勿論ハラスメントのお勧めをしているのではなく、ハラスメントをするような人がこっそりやる行為を言語化、顕在化することが目的です。ハラスメントの中には、それだけ取り上げるとハラスメントとは見えないかもしれないが確実に不利益を被るもの、たとえば「学生や若手に自己の権利を教えない(または、嘘の情報を与える)」「外部者に相談することを妨げる」などもあることを例示し、それに対する対策を講じています。これはまずいこと、ヤバいことなのだという意識がまず生まれることが必要です。