食べて知る魚類相

昨日は、琵琶湖で漁師をしている卒業生のK井君から「琵琶湖と霞ヶ浦の漁師さんたちの新年会」という素晴らしいイベントにお招きいただき、同じく招かれた魚類研究者や民俗学研究者、若手やベテランの漁師さんたちと楽しいひと時を過ごさせていただきました。料理長が腕を振るった料理はもちろんすべて両湖の湖魚づくし。琵琶湖からはビワマスやニゴイ、ワカサギ等、霞ヶ浦からはシラウオ(今や貴重品でしょう)、外来種のチャネルキャットフィッシュ等が提供されました。チャネルキャットはもともと食用に移入された魚だけあって肉厚で食べ応えがあり、大変美味しいものでした。しかし、外来魚が利用される一方で琵琶湖から本来当然提供されるはずのアユやフナが提供されておらず、今年の漁業の状況がはっきり表れていました。

霞ヶ浦シラウオの膾。醤油はつけず、柑橘果汁と塩だけでいただきます。そういえば宋代の漢詩にもコイの膾を柚子の果汁で食べたというのがありましたが、こういうのが刺身の古式なんでしょう。

 

実りの年明け

一昨日と今日、立て続けに受理通知が来ました。

Urabe M, Sasai H and Sokolov S. Rejection of the concept of hemiurid genus Pulmovermis (Digenea: Hemiuridae) and and other taxonomic propositions: new morphological and molecular data regarding Lecithochirium cyanovitellosum (Coil and Kuntz, 1960) Urabe and Sokolov, comb. nov. (formerly P. cyanovitellosus) Systematic Parasitology (in press)
 エラブウミヘビの肺に寄生する特異な大型の吸虫Pulmovermisが、海産魚にいるわりと普通の小さな吸虫Lecithochiriumと遺伝的に非常に近く、同属と見做せることを報告すると同時に、形態の再記載を行いました(今までは別亜科に分類されていました)。研究を進める際にどうしても鮮度の良い状態で固定した標本が必要となり、共同研究者のSさんが沖縄で採集したウミヘビを直前に締めて航空便で発送、それをウチの学生が伊丹空港で受け取って大学まで持ってくるというリレーで、宿主の死亡から24時間以内に検査することができました(寄生虫はまだ生きていました)。その標本に基づいて、従来の報告になかった詳細な形態記載を行いました。
 
Itsukushima S, Gosho M, Tsuchida, K. and Urabe, M. Proposal to synonymize Neoplagioporus Shimazu, 1990 with Urorchis Ozaki, 1927; taxonomic revision and the description of Urorchis takahaya n. sp. Parasitology International (in press)
2年前に卒業したI君の修論の一部分で、滋賀県内のタカハヤ・カワムツから新種の吸虫の報告です。この論文は結構盛りだくさんな内容で、新種記載のほかに属名のシノニム認定1つ、種のシノニム認定1つ(2006年に私が記載した種が消えました、、、)、新たに中間宿主の判明した種1つを報告しています。
 

年の初めの例とて

仕事始めの日は例の如く大車輪。講義一コマ、講義準備二コマ分、春からの実験の準備のため書類揃え、必要なものの発注、卒論生と修論生にハッパ。あと論文受理通知1本、minor revisionの判定通知1本、査読のために取り寄せていた論文の到着。明日は何から着手するかな?

15年選手

9連休の最終日は新しい自転車の注文に行った。年齢的にスポーツバイクを買うのはこれが最後になると思うが、新しい相棒が来るのは楽しみ。

ところで今の愛車、ずっと2011年購入の13年選手だと思っていたが、改めて購入時の書類を探してみたら2009年購入と判明。私の記憶違いで、実はもう16年近い老骨だった。タイヤは勿論、ギヤもサドルも交換済みなので、購入時のままのパーツはもうほとんど残っていない。長い間私の仕事や遊びに付き合ってくれてありがとう。