また実家に寄って2カ所ほどで仁義を切ってから新幹線の客となる。旅のお供は、早大近くの古書店で手に入れたこの本。

著者はNHKの科学産業部の記者で、1973年、高度成長の真っ只中の多摩川の水質汚濁について、その現状と原因究明に関する鋭い分析が行われており、40年以上前の本とは思えないほどの読みごたえがあった。下水処理の技術の問題、水質汚濁には取水過剰による水量減少も密接に関わっていること、そして流域管理の政治的ウラ事情、現在もまだ完全には解決されていない種々の陸水環境問題の原点を改めて認識する。