忙中暇あり

明日からの実習の準備やレポート採点で一日大車輪。よく頑張った。

その合間を縫って、ちょっと話題になっている本が到着したのでざっと読む。

 

ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書)

ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書)

 

 これは著者の精神科医および医療少年院技官としての勤務体験から書かれていて、無論バックグラウンドとなる理論やデータはあるのだろうけれど、語り口は大部分「個人の経験談」という体裁をとっている。その分、私には少々説得力が弱く感じられ、物足りない(一般読者として取っつきやすくはあるけれど)。ただし、人間の認知能力(空間、言語、物事の前後関係等)に弱みがある場合、それを放置すると成長してから社会問題になりかねないというのは、私の乏しい人間関係からだけ見ても多いにうなずける。大学教員というのは発達にデコボコのある人間が多い訳で、特定の認知能力がすっぽり欠落している人間は確かにいるし、それが教授や●●長など、組織や学生に対して責任の大きい立場になってしまってハラスメントその他の問題を引き起こす例は少なくないのではないかと思う。