作業報告

3〜5日はプロジェクト立ち上げのワークショップ。最初の2日間は大学で、主に学生さんたちを中心にセルカリアについての講義と実習。事前に院生のK君やD君がマニラ近郊の湖で集めておいてくれた貝(タニシと数種類のトゲカワニナ類)からセルカリアを検出するのが目的。1日目は比較的少数(100個以下)しか検査しなかったので、単性虫が1つの貝から見つかっただけだった。2日めに検査のスピードをアップしたところなんとかセルカリアを発見(お馴染みのCentrocestus)。学生さんたちに実物を見てもらうことができた。

最終日の今日は場所をフィリピン漁業水産資源局のオフィスに移し、院生のJさんに環境DNAの方法論について講義をしてもらい、続いて主だったメンバーにより今後のプロジェクトの計画について協議。例の土地の部族の許可を取るのに必要な費用というのは、どうやら合議の際に相手側の足代と接待費を全部持たなければならないことに起因するらしい。生物採集許可が降りるかどうかは相手の一存なので、いわば私有地での調査許可を得るのに等しい作業なのだということがなんとなく理解できた。とても費用と手間を要するプロセスだが、これを通せば本プロジェクト以外の研究者も現地調査しやすくなるので、サントトーマス大としてもやる価値があるらしい。この合議に関しては漁業水産資源局の現地支局の方が一肌脱いでくれることになりそう。ありがたい。