今回はさすがに学生抜き

査読一つ、会議、自主セミナー、その合間を縫って学生のゼミレジメへのコメント。昨日までの1日置きに3回の河川調査で、さすがに少し疲れが出た気がする。
今日の研究倫理教育セミナーは、「公式調査報告書から何が読み取れるか」というタイトルで,実際にあったある研究不正事件に関して,当該大学から出された報告書と関係学会で行われた関連シンポジウムの資料などを読み比べる、というもの。オチ無し明白な解決策無し、多分このセミナーの中で随一のダークな回だったかもしれない。私が思うに、組織的な研究不正を防ぐために大学ができることとしては、採用人事をできるだけ大勢の目で公平に行い、真に優秀な若手を採用して個々の研究者の独立性を高め,助手や助教などの若手がラボの教授に対して物が言えないという風潮を打破するしかないのではないかと思う。現在、大学のほとんどの人事は公募だが,それでも事実上、決定は1人または少数の有力者の意見によるという状態は、多くの大学に存在するのではないかと思う。そうやって、教授の「子分」として採用された研究者は教授に逆らうことができず、たとえ不正に気がついても黙っているしかないという場合が多いのではないだろうか。