ここのところ,執筆資料を大量に取り寄せており,今後もまだ増えそう。それで,いよいよ論文コピーの保管場所が逼迫してきたので(私は液晶画面より断然紙派なのだ),ついに不要なハードコピーの処分を決意した。もちろん,ほんの少しでも自分の研究に関係のある,または将来的に関係が出来るかもしれない論文は処分しない。で,今日より分けた論文は何かというと,その大半は私が大学院生の時,研究室での教員公募へ応募してきた方々のもの。それらの論文の大半は、今の私の研究とはまったく関連性のない分野であり、しかも20年以上前の古い論文ばかりなので、今後、必要になることもあるまいと処分することにしたのである。なんでそんな論文のコピーが大量に手元にあるかというと、当時,私の所属していた研究室では,教員人事がある場合,応募者の書面審査は大学院生たちでやっていたのだ。院生たちが手分けして応募者の論文を読み,その研究が面白いかどうか批評し合い,候補者を絞り込んでいたのである。大半の大学では考えられないことであると思うし,個人情報管理がうるさくなった現在では実施が難しいと思うが,日本のトップクラス(を自任する)の研究者の業績を何人分もレビューしなければならないので,院生にとってはものすごい勉強になった。それから、教授や助教授に採用されるにはどれほどの業績が必要か、具体的に己に引き当てて考えるチャンスにもなる。もし自分がこの大学で人事選考委員なんかにされちゃったら,何らかの形でこの制度をもう一度採用できないものかと思う。