うちの大学で、4月から助教を全員講師に任用するという措置がとられることになりました。どういうことかというと、これ
(労働基準局監査課長発:0402001号)に抵触するからなんですね。
助教の教育業務は勤務時間のおおむね9割、とされていて、この基準に合えば「専門業務」として裁量労働の対象となる訳です。とてもじゃないけとウチの助教の皆さんはそんなに研究できません。中には勤務時間は100%教育活動に充てて、研究は土日にするという人もいます(珍しくないかもしれませんけど)。そうだとすると「専門業務型裁量労働制」の対象外となり、通常の業務と同様に勤務時間の管理が必要となり,残業代等が発生することになります。
周囲を見渡せば助教や助手をほとんど置かない大学というのは結構あると思います。講義負担の大きい小規模大学や、国公立を退職したお年寄り教員で維持している私立大学では、教員が教授・准教授だけというところもあります。前任大学の福岡教育大も講義負担が大きいため、助手はほとんどいませんでした(講義のできない教員はいらないのです。若手でも講師採用)。今まで滋賀県大は助手・助教を置いていましたが、これで晴れて(?)若手を育てる余裕のない大学の仲間入りです。
まあ、実際の職務内容と職階名がやっと一致した、というところではありますが、それなら今までの身分は何だったの?と釈然としない助教の皆さんも多いようです。さらに、今まではできるだけ「講師」という身分をつくらないという方針で来ていたのに、ここに至って准教授への昇格ではなく、大量の「講師」任用とはどういうことなのか、不満に思っている方もいるようです。うちは今どき珍しく大部分の助教は無期雇用なので、他大学なら准教授クラスの年齢・業績で応募してくる方も多いのです。
何にせよ、うちの大学では、「なぜ職階が存在するのか」「職階による職務の違いは何か」に対して、きちんとした議論がほとんどなされておらず、「あるのが当たり前」という流れで来ているように思います(少なくとも私の着任以降は)。対応が場当たりなのは否めません。