会議会議事務仕事,の一日。
ウチの2年生の必修実習であるFWIIでは,できるだけ専門が偏らないように教員側は毎年かなりの苦心をしているのだが,学生になかなかそれが伝わっていないらしい。環境学というジャンルの特質上,教員の方は,学生に多面的なものの見方ができるようになってほしいと強く願っているのだが,学生は自分の専門外のことになると,内容がわからないというより,心理的に拒絶反応を示すケースが多いような感じなのである。私も自分の来し方として,大学1,2年というのはようやく苦しい受験勉強から解放されて,自分の好きな専門分野に没頭できるということを期待している時代だから,関心のないことにはなかなか気が乗らないというのはよくわかる。自分が大学生時代にしなかった(しようともしなかった)ことを,現役の学生諸君に要求するのは,ある意味無い物ねだりをしているような気もする。それに,複合的なものの見方というのは,自分の専門分野の足元がしっかり固まってから。ようやくできるようになるのかもしれない。私の場合,ようやく生物のみへの関心からいくらか脱却したのは福岡へ行った後のことで,30歳をとっくに越えて職場は3つ目であった。専門知識の浅い学部の1,2年生に複合的な視点を持て,というのは,実はかなり酷な注文で,学生がこの実習でやったことを本当に理解できるのはもっと後の年齢になってからなのかもしれない。卒業生,特に環境問題の現場で何年か働いている人に,この実習の評価を改めて聞いてみたいものである。