花一杯の世界

今日は病休教員のピンチヒッターで植物標本作製の実習。今まで3つの大学を渡り歩いて、専門外の実習もさんざんやらされてきたが、植物標本作りを担当するのは初めて(学生時代以来かな?)。ともあれ、同定以外は難しい工程はないのでさっくり進める。専門性の欠ける部分は、本学OBの本職学芸員氏の解説動画を使って補完した。まずはキャンパス内での植物採集だが、「できるだけ花や実のついている個体を採集すること」と注意をして学生を雨の中へ送り出した。今日の実習は環境科学部よりも人間文化学部の受講生が多かったのだが,学生の植物採集を横で眺めているとあることに気がついた。彼らが「花」と認識するのはヒメジョオンとかネムノキ、ぎりぎりオオバコ程度で、イネ科やカヤツリグサ科は勿論、緑色のギシギシあたりもスルーしている。イネ科の穂を指して「これも花だよ」というと「そういうのは花だと思っていませんでした」という返事。一般人への植物学はまずはその当りから始めないといけないとつくづく。ともあれ、今日の実習で「花」と言うものの概念が少し広まってくれたことを期待する。