講義2コマ

講義2コマ連チャンの日。1つ目は集水域保全、今日は今年から導入した「水温の保全」についての講義。日本ではほとんど取り組まれていない河岸植生復元による河川水温上昇抑制効果について、海外の代表的な研究と公的プロジェクトの紹介。河岸に植生(しかも日陰を作る高木がよい)を復元せよ、直射日射のはいる余地を減らせというのは現在の日本の河川の洪水対策の基本である河床拡張と河畔林の除去とは正反対の方向性である。落とし所はどこにあるのか私にもわからないが、学生諸君が問題の存在を意識してくれたなら嬉しい。

2つ目は「環境研究倫理特論」アカハラの1回目。この授業では、単に「受け手が不快であること」と定義されるアカハラだけでなく、学生の権利やコンプライアンスを軽視する研究室には十分気を付けろということを繰り返し強調している(これらの点は直ちに不快と感じないことも多いので、問題があるかどうか判断するにはいくらか知識が必要となる)。残念ながら大学という組織は今でもコンプライアンス遵守とは言えず、労働者の権利を無視した辞職勧告は学部によっては普通に行われているし、学位取得時の謝金の授受(国公立大学の場合贈収賄とみなされる)は今でもニュースになることを説明し、大学や研究所で働くということは、ある意味そういう旧来の悪習と戦いながら働くことになるのだと話した。「そんな学部には行きたくない」という感想を書いてくれた学生がいたが、正常な感想である。