之を行へ

先週の模擬パブコメ演習の成果です。今回は,「3年という限られた期間で,実施できることを具体的に書け!」というコメントが多く見られました。

環境保全に役立つ在来魚の放流を推進する」とあるが、遺伝的多様性の影響や放流後の管理はどうするのか」

(浦部コメント)そのとおり。とにかく放流は善という意識を捨て,個体群管理について勉強して欲しいものです。 

「産卵条件に則した増殖環境のあり方を検討」とあるが、3年あれば実現までもっていけるのでは?

「水位変動がコイ科魚類の産卵に影響を与えるのは自明なので,環境のあり方の検討ではなく、実行に移すべき」

「魚のゆりかご水田の取り組みを3年間で何ヶ所行うか、具体的にすべき」 

(以上3つへの浦部コメント)「なんぢの答は正し。之を行へ(ルカ10:28)」

「海外へ発信するより、県内への発信を強めて地元消費拡大を図る方が現実的」

(浦部コメント)それはありますね。滋賀在住でも、琵琶湖の魚を食べない、食べたことがないという人がとても多いですからね。

「魚道の整備には専門家の知識が必要なため,専門家を巻き込むべき」

(浦部コメント)魚道や多自然工法に関しては,計画段階ではまともなことが多いのですが、実際に土木業者が施工する段になるとあれれ…なのです。業者の入札の段階で,会社に環境にかかわる何らかの資格を持った人がいるかどうか、過去の施工実績はどうか、等を評価できるようになるとよいのですが。

「体験学習は滋賀県だけでなく、他県の子供にも来てもらうようにするとよいのでは」

(浦部コメント)これは「うみのこ」で実施していますが、小人数です。「うみのこ」の稼働率からみてどの程度増やせる余地があるのかわかりませんが、可能な限り検討して欲しいですね。

「河川の土砂について、既にダムがある状態で3年で解決可能か」

(浦部コメント)去年も書いたように、関係部門との連携について全く触れられておらず、実際のパブコメでも却下されました。やる気が見えません(怒)。

「水温に関してはどう検討するのか」

(浦部コメント)これは本当に、真剣に検討の余地があります。地球温暖化で琵琶湖の全循環もままならなくなる中で,仕方ないと放っておくことはできません。現行の河川/湖岸改修は岸の植生の除去、河床の平坦化、地下水脈の分断などでかなり河川の温度上昇に貢献しているはずですから、「水温を上げない改修技術」というものを真剣に開発しなければならないでしょう。