「滋賀県内水面漁業振興計画(原案)」パブコメ演習

この時期恒例のパブコメ演習。今年の題材は現在意見募集中の「滋賀県内水面漁業振興計画(原案)」(ここです)である。良い意見がでれば本当に県に送るよ、と約束して演習開始。

  • (7ページ)(ビワマスについて)本県特産養殖魚として普及、消費拡大を推進する。

(学生意見)ビワマスを県民に知ってもらうことから始めるべき(※滋賀出身の学生でも食べたことのある者は少なかった)
(m-urabe意見)食べてください、是非!

  • (8ページ)水草を摂食するワタカなど環境保全に役立つ在来魚の放流を推進する。在来魚が水田に遡上し産卵・育成できるよう、琵琶湖と水田のつながりを取り戻す「魚のゆりかご水田」の取組を推進する。

(学生意見)ワタカも水田に上がる(イネを食害する可能性がある)から、放流しないほうがよいのでは?
(m-urabe意見)これは魚類研究者の見解を聞きたいです。

  • (同)水質汚濁防止法等に基づき、水質の監視を行うとともに、水質の悪化の原因である生活排水や工場・事業排水等の対策を推進し、水質の保全に努める。

(学生意見)生活・工場排水は現状のままでも問題ないので、ノンポイントソースの対策をするべき。
(m-urabe意見)ですよね。水質管理の面ではとっくの昔にそう言われています。
(複数の学生意見)これは人間の水利用から見た時の水質。貧栄養すぎても魚は育たないのでは?
(m-urabe)そうですね。少なくとも琵琶湖の現状を見る限り、「漁業振興」という目的のために特段取り上げる必要はないかもしれません。

  • (同)河川流況の的確な把握に努め、流域における適切な水利用に向けた取組を推進する。

(学生意見)河川の流量管理や琵琶湖の水位管理の話が何も書いていない。内湖を増やすなら琵琶湖の水位を上げないと。
(m-urabe意見)漁業資源のためには非常に重要な事項なのに、国交省がらみの事柄から完全に逃げてますよ、この計画。

  • (同)陸水域における生物生息環境の連続性の確保を図るため、魚類等が琵琶湖と河川を行き交い、河川において遡上・降下が容易にできるよう、効果的な魚道の整備 や維持管理に努める。

(学生意見)(現存の)魚道の効果を先に調べるべきでは?
(m-urabe意見)まったくその通りです。少なくとも滋賀ではせっかく魚道を作っても機能していないケースが多すぎます。

  • (同)水源林の適正な保全および管理、森林資源の循環利用による適切な森林整備の推進、森林生態系の保全に向けた対策の推進、その他、森林の整備および保全を推進する。

(学生意見)森林整備と同時に、カワウやシカの個体数管理もするべき。
(m-urabe)この計画案の管轄は水産課ですが、農政課など他の部署とのタイアップもきちんと明記しておくべきでしょうね。

  • (9ページ)「生物多様性しが戦略」に基づき、河川・湖岸環境や河畔林、湖岸林の保全・回復にあたっては、「エコロジカル・コリドー」(生態回廊)としての機能に配慮するよう努める。

(複数の学生意見)これ(「エコロジカル・コリドー」って)言いたいだけやん。
(m-urabe)何をどうするのかもう少し具体的にしないと、こう思われても仕方ないですよ(爆笑)。

  • (10ページ)体験型の環境学習の推進、環境教育の振興、広報・啓発の実施を通じて、県民の琵琶湖漁業に対する理解と関心の増進に努める。

(学生意見)琵琶湖博物館がPRや体験の入り口として協力すればよいのでは?
(m-urabe)もちろん、琵琶湖博物館はすでにいろいろやっているのですが、この「計画」には琵琶湖博物館の名称が全く出てきません。全体的に、県の他部署との協力体制が希薄です。

  • (11ページ)H28年の漁獲量947tに対し、平成32年の目標数値は1,600t。

(学生意見)漁獲量は年々減っているのに、目標値が高すぎる。
(m-urabe)もし目標が達成できなかったら、だれが責任を取るのか明記してもらいましょうか。

やはり随分出るものです。ここには書きませんでしたが、作文そのものの文法的不明瞭さを指摘する声も多く出ました。26日までに、皆の意見を集約してがっつりパブコメさせていただきますよ!