ビオトープ管理士資格試験一部免除・その後

科目認定の交渉作業続行中。ところで、作業を続けるうちに(言い出しっぺの私がこんなことを言うのは何であるが)、いくつかの科目を指定して資格試験一部免除の認定を受けることがウチの学生にどれだけのメリットがあるのか、なんだか疑問が湧いてきた。資格の価値がどうのではなく、過去問を見ると、ウチのカリキュラムをまじめに4年間勉強した学生なら、特段の試験対策をしなくても7割方回答できるだろうという気がしてきたのだ。
たとえば「計画部門」の過去問にこんなのがあるけれど、こんな問題ならウチの学生は自信満々で模範的な回答ができるだろう。

人が手を入れなくなったために、生物多様性が失われつつある里山があります。主体は下層植生が密生して暗くなったコナラ林であり、一部にタケの密生林があり、近年その分布を拡大しつつあります。このような場所において、都市公園の整備計画があります。かつての里山としての価値を取り戻し、公園としての利用価値も高められるような計画を、400字以内で提案しなさい。

山地に近い農村集落内を流れる河川において、河道を掘削して河道断面を拡幅する工事が行われることになりました。この河川には底生魚が多く生息することから、これらを保全するための多自然川づくりを行うことになりました。底生魚の具体的な種名を挙げて、多自然川づくりを行う場合の留意事項について、400字以内で述べなさい。

ウチの学生なら、講義の内容を覚えるだけでなく、フィールドワーク報告書などで実地トレーニングもしているから、こんな記述は朝飯前のはずだ(真面目に受講した人ならね)。環境関連法さえ勉強すれば、試験問題一部免除の特典などなくても、普通に試験を受けて十分できるだろうという気がする。
結局、一部免除校の認定を受けたとして、メリットがあるのは「ウチは一部免除認定校です」と名乗れる大学だけ、ということかな。