昨日今日と「国立26大学理学部長会議」「国立大学理学部長会議」なるものに陪席してきました(大学命令です)。もう十数年、国立大学理学部の動向を知るためにウチの学科から一人派遣されることになっていて、とうとうそのお鉢が回ってきてしまいました。それで講義を臨時休講にして、このとんでもなく居心地の悪い会議(なにせ国立大学でも理学部でも学部長でもないので、参加資格にかすりもしていない)に出席せざるを得なくなりました。しかも、他の公立や私立の理系学部も陪席してるのかな〜と思っていたのですが、会場についてみたらなんと陪席はウチだけと判明。いやホントになんでお前がここにいるんだよという状態で、気まずさここに極まれりでした。
それで2日間、各地の国立大学から提出された議題だとか文科省担当者による最近の国立大学法人をめぐる動向や来年度概算要求の説明とか聞いてきました。もちろん、ウチには国立大学のように文科省の要求や評価がすぐに下される訳ではないのですが、県も国立大学に対して行われた施策を参考にするので、やがては公立大学も同じようなことになる可能性が高いという訳です。でも、実際に聞いてみるとやはり国立の理学部とウチ(公立大の環境科学部)とでは設立理念や大学ミッションからして全く違うので、問題のありどころも大きく違い、なかなか国立大学の対応を参考にするとも言えないのだなあと感じました。
今日配られた文科省資料の一部です。右のグラフが国立大学の基盤的な教育研究設備予算の経緯(1993〜2019)で、赤字のメモが国立大学独法化の年(2003年)の位置です。左は国立大学の教育研究設備の残存価値。古くなった研究用備品の更新などができていないため、備品の資産価値は一直線の右下がりです。文科省自身が「老朽化・陳腐化が進行している」とここに書いていますので、どうやら国立大学の研究環境は老朽して陳腐であるとお認めになっているようです。これでは論文生産量が下がるのも当然の結末ですね。
別のページには「研究環境の劣化等に伴う基礎科学力の伸び悩み」とちゃんと書かれていました。しかし、その解決方法は研究環境を改善することではなくて「大学の枠を超えて知を結集し、学術研究を効率的・効果的に推進する共同利用・共同研究体制を最大限活用」することだそうです。さすがにこれには「これが解決になるのか?」疑問の声が上がっていました。