実習場所を求めて

後期の授業が始まり、もうすぐ川虫実習が始まります。例年大学近くのI上川で実施している今年の実習ですが、今年はどうしても地元漁協の同意が得られませんでした。この時期、I上川の下流域はアユの産卵場として保護水面になっており、河川生物すべての採集が禁止されています。そこで、例年は県に特別採捕許可を申請し、地元漁協さんに河川立ち入りの了解を得た上で川虫実習を実施していたのですが、今年はどうしても漁協さんから了解をいただけませんでした。どうも、昨年一昨年とアユが不漁だったため、産卵水域の保護に神経を尖らせていられるようです(今年はまずまずの豊漁)。仕方がありませんので、大学からはだいぶ遠くなりますが今年は保護水面外で実習をやることにし、同じ実習担当のO先生、Y先生と候補地の下見に行きました。

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大学の南にあるU川。ここは天井川ではないため川底が低く、琵琶湖からの逆流や周囲の水田からの泥流入などにより淀んでいます。川虫実習向きではありません。

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泥っぽいU川ですが、中を覗くと中ぐらいの大きさ(20cm程度)の魚がキラキラと群れています。どうもオオアユのようです。I上川やS川にはコアユが遡上しますが、U川にはコアユの姿はなく、オオアユばかりでした。オオアユとコアユで産卵河川が異なるのでしょうか?

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お次はI上川を遡り、中流域まで行ってみました。ここは保護水面ではないので水生昆虫の採取は問題ありません。ところが完全に瀬切れしており、水がほとんどありませんでした。ここも駄目です。

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川の水はこのようにほとんど伏流してしまい、わずかな水たまり状に顔をのぞかせているだけです。

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結局、実習ができそうなのはS川ということになりました。堤防には白いヒガンバナが咲き乱れていました。また後日、最終的な実習場所決定のため細かい下見をする予定です。