川虫実習最終日,データのまとめである。今年は水生昆虫が少なく、なかんずく大型個体が非常に少なかったのは先週書いた通りであるが、その一方で、この実習で今年初めて採集された生物があった。アユの孵化仔魚である。
勿論,普通であれば魚類は捕れてしまっても(ベントスではないから)ノーカウントであるが,アユ仔魚に関してはちょっと分布を見てみたかったので記録をつけてもらった。実習では合計4匹の仔魚がとれたが、採集地点はすべて早瀬か平瀬の流心部であった。つまりは琵琶湖へ流下中の個体を捉えたことになる。ちなみにベントスのサンプルの中に魚卵はまったく見られなかったので,実習日(10月12日)には、大部分の孵化は完了していたと思われる。水産試験場の今年のデータを見ると、アユの産卵は9月中盤から始まり、10月上旬にはだいたい終わっていたようなので,孵化日数を2週間とすると、今回捕れた仔魚は流下の終盤といったところだろう。