午前中、研究倫理のセミナーを計画していられる教員に呼ばれてしばし談話。私はおカネにならない基礎研究をしているので、応用分野のダークサイドには無縁なのだが(何も考えてないバカには散々振り回されたけど)、そういう世界のことをあれこれ聞いてみると、本当に事態は深刻である。私も今まで、自分の知る限りで曰く付きの研究室には学生を送り込まないように努力してきたが、大学あるいは研究の世界で起こりうる不正や人権侵害について、院生やポスドクはきちんと学ぶ機会を与えられるべきである。今はポスドクの身分でさえなかなか得られないので、雇ってくれるならどんな研究室でも…となってしまいがちだが、そこでハラスメントに遭って使い捨てられたり、さらに悪いことには研究不正に加担させられたりすれば、研究者人生は終わりだ。大学や大学院できちんとした研究倫理教育を行えば、ブラック研究室はそういう卒業生を雇うことを回避するだろうから、学生の身を守ることになる。これ、実現させなきゃなあ(ついでに言えば大学理事・学部長も出席必須で)。
しかし、今日の話は、先日の大学主催の人権セミナーなんかの100倍も「ためになる」議論であったことよ。