また新雪がいくらか積もった氷点下の朝。明日のD論発表会の相談、今度卒業研究を始める3回生との研究相談、保全の講義。
で、今日は「環境研究倫理特論」第15日目の千秋楽で、大トリはK女子大名誉教授のK先生である。現在係争中の某大学の研究不正をめぐる裁判についての経過を紹介され、受講生たちには「もし自分の周囲で研究不正があったらどうするか?」と問いかけられた。修士の学生たちには難しすぎる質問だったかもしれないが、その中に「研究不正について研究する学部や学科を作ればよい」という意見があって、これは至極最もだと思った。研究不正が発覚した時、だれがそれを認定するのか、所属組織はどこまで対処できるのか、学長や理事など組織トップの不正はどこへ訴えばよいのか、不正が発覚した大学などに対して国はどのように処するべきなのか(不正発覚にマイナス評価を与えていると、組織ぐるみの不正隠蔽が進む)等々、組織や社会の仕組みとして検討しなければならないことは山積しており、どれ一つとっても難しい。研究者が二足わらじで対処するのではなく、このようなことを専門に研究する人が必要だろう。
ところで、ウチの大学が組織ぐるみの研究不正をする可能性があるかどうか、ということなんですけれど、もしこの「環境研究倫理特論」が毎年続けて開講されているなら多分大丈夫です。もし大学から「来年からこのような講義をすることはまかりならぬ」と横やりが入ったら、そのときはきっとヤバイと思います。というわけで、もしそんなことになったらこのブログで公表しますね(笑)。