キャンパスから初報告外来種

関西自然保護機構の機関誌「地域自然史と保全」に、卒論生M君が2回生の時採集したオオクチバスの条虫の報告が載りました。アメリカ大陸からの外来種で、バスを始めとするサンフィッシュ科にはかなり悪さをする種類のようです。今のところ他科の魚に対する病害性は報告されていないようですが、日本の在来魚はどうなのか、今後も注意が必要な寄生虫です。

この寄生虫はM君が2回生の時、サークル活動で大学構内で取れたバスの食性調査をしていた際に見つけ、私のラボに持ち込んできたものです。当初、琵琶湖の在来種にいる条虫が宿主ごとバスに食われて移行したものと思っていましたが、遺伝子を調べてみたところ未記録の外来寄生虫と判明したので報文にしました。このように在来種と間違えられたり、見逃されたりしていつのまにか数を増やしている寄生虫は結構多いのかもしれません。

関西自然保護機構: 地域自然史と保全 45巻(1) のPDFを公開しました。