貧すれば逃げる

世の中で、日本の大学の研究者が外国に引き抜かれるのは当然だろうという意見が多く出ていますが、全く同感です。1年前のブログ記事をもう一度リンクします。これは昨年の国立大学理学部長会議で文部科学省から配布された資料です。国立大学の教育研究設備の現存価値(左)と教育研究設備予算(右)のグラフを見てください。文部科学省自体が、大学の設備が「老朽化・陳腐化が進行」していることを認めています。会議の席で、大学によっては、間接経費のつかない研究費をとった場合には相応額を学部経費から全学へ収めなかればならないところや、間接経費が3割以上つかない外部研究費の取得を認めないところもあるという報告がありました(旧帝大ですら、そんなところがあります)。学生の奨学金を取り上げて生活費に使ってしまう「毒親」が問題になりますが、現在の国立大学という組織はまさに毒親になりつつあります。これでは優秀な研究者ほど逃げてしまうのは当然でしょう。

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