謎虫

一昨日より臨海実習中。今日の寄生虫学実習では、学生が釣ってきたカサゴ2匹と、魚屋で購入した小ダイ、ササノハベラが材料。タイが入手できたのでタイノエを期待していたのだが、残念ながら寄生していなかった。タイとササノハベラの鰓からそれぞれ別種の寄生性カイアシ類を回収。ところで、カサゴの鰓を見ていた学生が「何かいます、目があります」と言う。見てみると2つの眼点がこっちを見ており、ゆっくりと動いているのでまず間違いなく寄生虫である。取り出してみたところ、体表が一面繊毛に覆われ、尾部には丸い突起のある虫体で、鰓の軟組織に埋もれていた。私も初めて見る寄生虫で何かわからない。研究員のKさんが無脊椎動物幼生の本を持ってきて、眼点の構造と繊毛は単生類のオンコミラシジウムに似ていることを指摘された。しかし、オンコミラシジウムが出てくるなら成虫の単生類が出てきても良さそうだし、外部寄生虫である単生類が体をすっぽり軟組織に埋もれさせているというのもよくわからない。結局、正体不明のままで終わってしまった。