生態学・疫学談話会のお知らせ

いよいよ寄生虫学会が来週に迫ってきましたのでご案内です。日本寄生虫学会大会のサテライトミーティングですが、非学会員の方も参加可ですので、ご興味のある方はどうぞお越しください。

34生態学・疫学談話会のご案内

 

 第34回生態学・疫学談話会を、第88回日本寄生虫学会大会前日の3月14日(木)に開催いたします。今回は下記の2題を話題提供していただきます。ご関心をお持ちの方々の多数のご参加をお待ちいたしております。

 

日 時:2019年3月14日(木)16:30〜18:30

場 所:長崎大学坂本キャンパス グローバルヘルス総合研究棟404号室

 

話題1:日本における単為生殖型肝蛭の分子疫学的研究〜ニホンジカにおける感染の現状とその経緯〜

尾針 由真(岐阜大学大学院連合獣医学研究科・岩手大学農学部獣医寄生虫学研究室)

【概要】近年、野生のニホンジカにおいてFasciola属吸虫の高い感染率が報告されており、疫学的に注目を集めている。日本に分布するFasciola属吸虫は単為生殖型肝蛭Fasciolasp.と呼ばれ、家畜由来の虫体では分子遺伝学的研究が盛んに行なわれてきた。しかし、ニホンジカ由来の虫体についての知見は限られており、疫学的な情報が不足していた。今回は、ニホンジカにおけるFasciola属吸虫感染の現状とその経緯についての分子疫学的研究を紹介し、単為生殖型肝蛭の分布拡大について議論したい。

 

話題2:寄生性カイアシ類の種多様性を明らかにする

上野 大輔(鹿児島大学大学院理工学研究科)

【概要】カイアシ類は、12,000種以上が知られる小型の甲殻類である。カイアシ類がこのような種多様化を果たした大きな要因の一つとして、他の生物への寄生能力を獲得したことが挙げられる。ありとあらゆる動物群を宿主とする寄生性カイアシ類は、形態も極めて多様である。今日までに数千を超える寄生性カイアシ類が確認されているが、この数は実際に存在する種数のごく一部であると考えられる。本日の講演では、私がこれまで行ってきた種多様性研究とその成果を交えつつ、魅力的な寄生性カイアシ類たちの紹介を行いたい。