問題発見のネタは尽きず

環境FW1・第2クールの開始です。今クールからは4週あるため、フィールドには2回出られることになります。今日は早速その1回目、自然再生をする現場の下見です。ここで環境に対して問題の有りそうな場所を発見し、そこをどう直したらよいか考えます。

f:id:m-urabe:20190507212830g:plain

学生「どうして、階段のところだけ大きな石がないんですか?」

m-urabe「…」

10年近くこの場所に来ていますが、今日の学生の指摘で初めて気が付きました。確かに、この階段の前だけ川の中に大きな石がありません。おそらく改修時に取り除けられたのでしょう。ここは対岸に盛り土をして、川をわざわざ階段側に寄せた作りになっています。階段の下はいきなり30cmほどの深さになっているため、子供なら十分転落・溺死の可能性があります。ゆるやかな傾斜の浅瀬にすれば安全なのになぜわざと危険な場所を作ったのかと訝しく思っていたのですが、大きな石がないという指摘から一つの可能性を思いつきました。もしかすると設計者の頭には子供が川の中に入って遊ぶ可能性などなく、都会の川のように川岸のテラスに座って水面の眺めを楽しむようなことばかり考えていたのかもしれません。田舎の小川にそんな需要はまったくないのですが。しかもこの階段に座ると、まず目に入ってくるのは対岸にあるお墓です。

f:id:m-urabe:20190507212907g:plain

学生「なんでここに石がはめてあるんですか?」

m-urabe「わかりません」ホントにわかりません。

f:id:m-urabe:20190507212847g:plain

学生「なんでここに石の袋が置いてあるんですか?」

m-urabe「…わかりません」段差解消工のつもりかもしれませんが、解消されていません。

ここの状況(仮護岸、床止め、仮の段差解消工)は、全面魚道ができる前の状態によく似ています。もしかするとこの段差にも魚道を設置する計画なのかもしれません。先の魚道の二の舞にならないよう、今度こそ意見するべき時にはしなければなりません。

f:id:m-urabe:20190507212857g:plain

以前から問題オンパレードのY川改修、もう10年も観察を続けていますが、まだ新しい問題発見が出てきます。いや、奥が深いです。