自由集会2018

朝から再びN君と目黒寄生虫館へ出向いて昨日の標本計測の続きをし、昼過ぎに館員の皆さんと一緒に学会会場へ移動して自由集会へ参加。今年の会場は大学ではなく国際医療研究センターで、建物の入口は病院の外来玄関であり、学会の看板などは何もないというわかりづらさ。プログラムに載っている建物地図だけを頼りにひたすら奥へ進むとひっそりと受付デスクがあった。
形態分類談話会は世話役の科博K先生による小笠原産魚類二生類について。発表後のディスカッションで寄生虫の固定・染色方法はどうすべきかという議論になり、やはり染色はハイデンハイン法が最強という意見になった(私もまったく同意、カーミンでは詳細な器官がほとんど染まらないので見えにくい)。ただし固定および圧平方法には日本の方法(山口左仲が採用していたらしい)と英米あたりの方法のそれぞれに一長一短があり、結局、ムシが沢山取れたら複数の方法で固定するしかなさそう。
生態疫学談話会はH大学のポスドクSさんによるプラナリアの繁殖モードに関する研究紹介。

有性生殖をしない系統のプラナリア(生殖腺が発達せず、分裂のみのクローン増殖)に、有性生殖をする他種の扁形動物を食べさせると有性型に転換するという面白い話。性ホルモン様の因子が取り込まれるらしい。因子(複数ある)がどのような物質であるかはかなりの部分まで突き止められているので、それが扁形動物以外の動物にもあるかどうか確かめると面白いと思う。自然状態で、何を食べたかによって後天的に繁殖モードが変わってしまうとしたらけっこう面白い。N大のA先生は偶蹄類に付くマラリア原虫類似種の話。ヒトやサルのマラリアとは別系統のものだが、調べてみるとかなり広範に分布しているものらしい。他にはセンザンコウやカバからも報告のある由。ベクターはまだ不明。
恒例の両談話会の合同懇親会は、会場が新宿ということで大久保で焼肉とチゲ。リーズナブル価格でおいしい。