来月の寄生虫学会の自由集会「生態疫学談話会」のご案内です。3月16日16時30分から、国立国際医療研究センター(新宿区)にて。生態学会と重なっていますが、関心のある方はどうぞお越しください。参加は自由です。

話題1:扁形動物の生殖様式転換機構の解明に向けて
関井清乃(弘前大学
【概要】自由生活性の扁形動物であるプラナリアには、分裂・再生による無性生殖と、交尾・産卵による有性生殖を環境に応じて使い分けるものがいる。無性生殖による子孫の数の確保、そして有性生殖による子孫の多様性の確保という、2つの生殖様式のメリットを使い分ける良いとこ取りの生殖戦略は、自由生活性の扁形動物から派生してきた吸虫などの寄生性の扁形動物にも見られ、扁形動物がもつ様々な環境への適応能力を考える上でも生殖様式転換機構の解明は重要であると考えられる。本発表では、扁形動物内で種を超えて保存された有性化因子の存在など、実験的に生殖様式の転換を誘導できる淡水生のプラナリアリュウキュウナミウズムシ(Dugesia ryukyuensis)の研究から得られた最新の知見を紹介したい。

話題2:偶蹄類のマラリア原虫
麻田 正仁、金子 修 (長崎大学・熱帯医学研究所)
【概要】偶蹄類のマラリア原虫は1913年のアンテロープ類からの報告に始まり、スイギュウ、ヤギなどからも報告されていますが、その疫学・分子系統上の位置など多くの事柄が謎に包まれていました。本談話会では我々が進めている偶蹄類マラリア原虫の研究を紹介致します。

なお、寄生虫学会大会の公式サイトはここですが、大会のテーマおよび大会長挨拶がアレなので是非一度御覧ください(笑)。