南は暖かく

例年、11月下旬頃に宇治川カワヒバリガイの調査をすることにしている。今年は先週の三連休に予定をしていたのだが、天ヶ瀬ダムの放流量を見ると60〜70t/秒でやや多い。カワヒバリガイは固着性なので維持流量の水面より上部では絶対に取れないから、放流量が維持流量(この時期は30t/秒)まで下がるのを待っていた。ところが、雨も降らないのに2週間近く経過しても放水量が全く減らされない。おかしいと思って関係者に問い合わせたところ、喜撰山の宇治発電所が点検のため運転停止しており、発電所での取水がなくなったため、その分南郷洗堰から放流しているとのことであった。いつまで点検なのか尋ねたら、なんと来年の3月初旬までということ。それでは60tでも仕方がないので、今日採集に出かけた。60t放流と言っても発電所のぶんの流量が減っているので、幸いに水位は低く、難なく採集できた(これなら先週来ればよかった)。今年のカワヒバリガイは猛暑のせいか平均殻長が大きいようだ。例年なら最大でも殻長2.6cm程度だが、今年はそのぐらいの大きさのがゴロゴロしており、最大サイズは3cmに迫る。最近河川改修して、新しく作られた割石護岸が格好の付着基盤になっており、手頃な石をひっくり返すとちょっとしたシェルベッドが形成されているのを見ることができる。明らかに以前より貝の密度が高くなっている。

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もう12月だが、宇治は彦根とは段違いに暖かい。平等院の紅葉がまだ7割ぐらいなのには驚いた。多分あと1週間後頃がピークになるだろう。

採集の後は、県立図書館で急ぎの資料を入手した。文化ゾーンにある夕照の庭の紅葉がなかなか良い感じだったので、帰りがけにぶらぶらと歩いてみた。竹藪の向こうに透ける紅葉が美しい。

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夕方から大学でカワヒバリの検査。今日は半分終わらせ、あとは明日。