20周年

午後の講義の終了後、気合を入れて昨日採集してきたカワヒバリガイ寄生虫検査をしました(明日やるつもりだったのですが、考えてみれば明日は大学の停電日でした)。

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カワヒバリの外来寄生虫調査を始めたのは2001年なので、実は今年で丸20年ということになります。今、これを研究テーマにしている学生はいませんが、年に1度はモニタリングをしており、福岡在住の3年間以外は継続してデータがとれています。このところ、カワヒバリの寄生虫感染は1%前後で安定しており、アウトブレイクの兆候はみられません。

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近頃の傾向としては、暖冬が続くせいか11〜12月になっても寄生虫の成熟度が悪いことがあげられます。以前ならそろそろ運動性のあるセルカリアが出てもよい頃ですが、今年も運動性のないセルカリアを保有した貝が1個体、まだセルカリアのないスポロシストを保有していた貝が2個体のみでした。温暖化はカワヒバリガイ(温帯〜亜熱帯性)の成長は促進するかもしれませんが、水温低下が成熟の引き金となる腹口吸虫には成熟の妨げとなるようです。