3日目

午前中のプレリミナリートークはZさん、Oさん、隣の大学のN先生による“琵琶湖三題”。ウチの大学関係者も巻き込まれている(失礼)Oプロジェクトの内容を初めて理解。こういうことだったのねー。それなら何で今までタアル湖ではなくLaguna de Bayで調査してられたのか(多分、こっちの方がモニタリングデータが揃っていたからかな?)とは思うけれど。

午後の学生賞セッション。シンガポールで「コモチカワツボ」とされていた貝は、実はフロリダ原産の別の貝Pygophorusだと言う話。熱帯性の貝だという点を除けば、見た目も生態もコモチカワツボと驚くほどそっくりである。移入ルートは観賞用の水草らしいという。今後、日本でもへんに水温の高いところから「カワツボ」が出てきたら,こいつを疑うことも念頭に置かなければならない。なお形態的には♂のペニスで判別が可能である。

夜はフィリピン料理のレストランでRey研究室の面々、シンガポール大学の面々、Z夫妻、基調講演のD教授ほかとディナー。Pygophorusの発表をした院生Hさんがいたので話をする(ウチの研究室のカワツボ論文も読んだそうで、すぐに私のことを認識してくれた)。シンガポールは古くから周辺との交流が盛んな国なので,貝類のうち何が在来種で何が外来種なのかの判定が非常に難しく、その貝の生息域全体での遺伝的な比較が必須なので大変だという話。しかも、現在ではジャンボタニシが席捲し、在来種かどうか要判定だった種類がジャンボタニシに押されて消滅したというケースもあるそうで、なかなか前途多難ではある。