さて講義も終わったことで、そろそろ試験問題を作らなければならない。ところで、1回生の「環境生物学I」では、学生が授業で習ったことが実生活にも役立つと実感できるよう、科学リテラシーにかかわる問題をいつも1つは出題するように心がけている。巷に氾濫する怪しい健康法やダイエットに関する広告などを授業で習ったことと照らし合わせて、どこがおかしいかを考えさせる問題だ(ただし、出題する立場から見ると「9割正しくて1割間違い」ぐらいが作問しやすいのだが、たいていのサイトは一から十まで間違いなので使い物にならない。お願いですからせめて7割以上は正しいことを書いてください(笑))。残念なことに、ウチのカリキュラムには「科学リテラシー」という講義がなく、学生は体系的にそれを学ぶ機会がないので、かなり困ったことだと思っている。そして今日、ウチの教員の中にさえ「STAP細胞は簡単に作れるのだが、利権絡みの陰謀で潰された」というようなことを真に受けている人がいるらしいと知って(さすがに理系の人ではないが)、教育における科学リテラシー不足の深刻さをもう一度認識した次第。