[保全]

一日だけ陸水学会に出席。課題講演はすべて午前のセッションなので、朝6時半に家を出て新幹線で名古屋へ。
私の参加する企画は「陸水学から見た環境保全・再生活動の問題点」。全体を通して浮き上がった問題を私なりにまとめると、住民参加型の自然再生事業では、行政や企業による自然開発の時ような確たるガイドラインがなく、アセスや事後評価も不十分なまま「良いことをするのだからこれで良い」「活動に参加した子供たちを戸惑わせてはいけない」等の理由で、たとえおかしなことになっても突っ走る可能性が高いということ。自然再生事業であっても改変は改変、アセスは必要だし、途中で間違いに気がつけば、事業中止も含めて軌道修正は当然、という作業フローがあった方がよいのかな。あとは非研究者が騙されがちなトンデモ科学対策だが、これは学会というより教育界、特に初等・中等教育の問題であるので、そことのタイアップが必要だろう。そう考えてみると、住民参加による自然再生って、住民の科学リテラシーがよっぽどしっかりしているか、お偉い先生の意見より自分の見聞を重視する頑固者(注:他人の意見に流されないという誉め言葉です)でないと、あっという間に根拠薄弱なお題目やトンデモに流される危険性を秘めているようだ。
懇親会では、企画者のY室先生を初め、以前ウチの大学に特別講義にきてくださったS家先生、水生生物イラストレーターのK 村氏、以前の勤務校の卒業生でアセス会社勤務のK川さん等々と懇談。
あと、国交省の水質指標生物が来春に見直されるという話を聞いた。どの程度の修正なのかまだわからないけれど、あの階級分けは改善されるのかしらん。