カワツボ一里塚

先週末、コモチカワツボの生息環境についての論文がVenusに掲載された。2007年のT田君の卒論と、2010年のH田さんの関東調査の成果がようやく文になったわけである。これまで日本で知られていた生息環境(といっても、大部分は採集記録に付記された環境記載で、あとはウチの研究室でやった滋賀県内の調査結果だけ)が、だいぶ見直しを迫られた。関東では、ほぼ止水環境でDOが5mg/lを切るところや、夏に水温30度を余裕で越えるところにも生息が見られた。どうも、コモチカワツボの順応力は相当あるようである。私はこの生き物を見始めて10年以上になるが、未だに「カワツボはこういう環境にいる」と簡潔に説明することができない。いろいろな地域のカワツボを見れば見るほど、訳がわからなくなるのである。
ところで、Venus掲載の論文ってSCOPUSに収録されないのである。純英文誌ではないので収録拒否でもされているのかしら。陸水学会の和文誌は収録されているけどなあ。