独法化の大学の人事制度設計方針に関する副学長との懇談会というのがあった。例のごとく人事の決定権は教授会から役員会に移るとか,あれこれ書かれているのだけれども,その中に一つ,「降任」という初めて出会う言葉があった。案によると,処分または業績評価に基づいてやるつもりらしい。以前,逆年功序列となどというたわごと(5月13日)をほざいた身としては捨てておけない話。
副学長の説明によると,全面任期制の導入に対抗する一つのやり方らしい。全面任期制を導入するといい人に来てもらえなくなるが,さりとて今までのように,「採用してみたら何もしない人だった」というのを放置しておくのも困るから,という話。これは公務員である現状からしてみれば労働条件の改悪になるわけで,すんなりと職員に承諾されるとはとても思えないが,私はこのぐらいは導入したって良いんじゃないかと思う。もともとはそれなりに優秀な研究者だったのに,大学教員に採用されたとたん論文を一本も書かなくなった,というのはよく聞く話である(これをお読みの皆さんにもピンとくる人の一人や二人はいるはずだ)。「仕事をしなくてもクビにならない公務員」という世の中の批判はどこかでちゃんと受け止めねばなるまい。