腹楯簇楯

気分転換にまたアピアランス変えました。前より字が大きくて見やすいと思います。
来春の寄生虫学会の講演申し込みをする。お題は「楯吸虫」である。寄生虫屋でさえめったに取り上げることのない小さな分類群で,マニア中のマニアのような生き物である。でも,淡水の魚貝類につく寄生虫の中ではわりあい大きい方(1-3ミリほど)だし,何より形がケッタイでかわいらしいのだ。運動靴にゾウの鼻をつけたような,と言ったら想像していただけるだろうか(なお,靴底は普通の運動靴様のものとスパイク付きのものの2通りがある)? 貝の寄生虫を調べていたら,たまたま見つけた種類が原記載以来実に60年ぶりの発見だったので,その報告を,分類学的な情報を交えながらする予定。
ちなみにこの楯吸虫,正式にはAspidogasterと綴るが,中国語の文献を見ると「腹楯」となっていた。直訳である。最も普通種であるA. conchicola(運動靴タイプ)は「貝居腹楯」,私が今回比較に使ったLophotaspis orientalis(スパイク靴タイプ)は「東方簇楯」。この方式でいくと,今回学会発表する種類は「蜆簇楯」ということになる。