10年越しの

論文が受理されました。

M. Gosho, S. Itsukushima , M. H. Collins, I. T. Dalton, R. B. Rosen and M. Urabe. Molecular phylogenetic position and the life cycle of Phyllodistomum cyprini Feng et Wang, 1995 in Japan, with a note of larval Phyllodistomum sp. from unionid mussels in North America. Parasitology International (in press)

大阪府水生生物センター(現・生物多様性センター)のIさんから、イシガイに寄生虫がいることを知らされてからほぼ10年も経ってしまいましたが、ようやく種名が確定し、系統学的位置を定めることができました。当初、新種の可能性が高いとして研究を進めてきましたが、最終段階ですでに中国から記載のある種と同種である可能性が高くなり、全面的に書き直しました。Phyllodistomum は約120種が命名されている非常に大きな吸虫の属で、多分これから複数属に分割されると思いますが、本種は他の同属種に形態的にも分子系統的にもあまり近いものがなく、かなり特異な位置を占めるムシです。修士の院生Goshoさんが粘り強く感染実験と成虫の観察を行ってくれたおかげで、本人卒業後異例の早さで論文受理につながりました。