@ピナカナウアン川

フィリピンから帰国しました。11月6〜7日は5日と同じ水系の中流部に調査地を移しての採集です。ここは前回のカガヤン予備調査で寄生虫感染した貝が大量にいたところなので、ぜひそれを再確認したいと思っていました。ここピナカナウアン川は自然保護区の山裾をめぐって流れ、「フィリピンで最も美しい川」と呼ばれているそうです。その名に恥じない、ナイルグリーンの水が美しい川でした。

船着き場。対岸にあるカリオ洞窟(鍾乳洞)へ渡る観光客用です。カリオ洞窟は数年前に新種の化石人類Homo luzonensisが発見されて有名になりましたが、現在は閉鎖中だそうです。

 

ピナカナウアン川を遊覧ボートで遡ります。

上流の自然保護区内部の川原に降りて貝やカエルがいないかどうか探しました。残念ながらここのあたりでも水位上昇の影響が出ているようで、ベントスは非常に少数しか見つかりませんでした。次のサンプリングはよく考えて季節を選ぶ必要があります。

もう少し下流、前回大量の感染貝を見つけたところに行きましたが、ここも本流ではほとんど貝はとれませんでした。河川敷の浅い支流にやっと貝の多いところを見つけて、なんとかまとまった数の検査ができました。

コンクリートの橋の上を車が飛ばしてく一方、水牛の車は川の中をのんびり渡っていました。水の中や泥地を何の苦もなく歩ける水牛は、やはり熱帯多雨地帯では最強に機動力のある家畜だと実感します。フィリピンの農村部では現在でも農村の頼もしいパートナーです。

前日の滝の上流部で採集された丸い貝。蓋があるので有肺類ではありません。あまり見たことのない形をしていましたが、これもトゲカワニナ類なんでしょうか。