3年ぶりの巡検

明日は陸水学会近畿地区会の研究発表会(ハイブリッド開催)です。一昨年は中止、昨年はオンライン開催だったので、部分的にですが3年ぶりに対面開催となり、巡検も復活しました。京都や大阪、奈良から来られた大学教員・学生の皆さんをI上川へご案内し、現地視察していただきました。ウチのメンバーにとっては庭先ですが、湖東独特の天井&湧水河川というのは他地域の方にとってはとても面白いようでした。現在の改修で生じている淵瀬や河畔林の消滅などの問題についてもしっかり見ていただきました。
ところで、川へ降りて水生生物の採集をした際に、ダム下流河川の研究をしている他大学の学生さんたちから「ダム下流よりも河床が固い」という感想が出ました。「この近くにダムはありませんよね?」と不思議そうにしていました。
生物採集をしたのは3年ほど前に高水敷を作った際、人工的に河床を掘り込んでできた河道です。ここ3年間、I上川で川虫実習をやっていないので気が付きませんでしたが、河床が固くなっているというのは意外でした。改修後、何度か出水に見舞われているのである程度河床地形は再構築されてきたと思っていましたが、なぜ土砂が戻ってきていないのか、理由がよくわかりません。ともあれ、河床が固いのはアユやビワマスの産卵環境として大きなマイナスですから、河川改修の後には河床耕起などの改善策を講じたほうがよいのかもしれません。

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