ムシ撮ります

今日は琵琶湖生物多様性データベースに使用する寄生虫の写真撮影のためB博物館へ。パンデミックが始まってから大学以外の場所にほとんど出かけていないA君Jさんも一緒に連れて行った。特にJさんは昨秋の来日以来一度も彦根市内から出ていないので、ちょっとは気晴らしもしたいだろう。

10時に博物館で無脊椎動物担当学芸員のSさんと写真の依頼人Iさんと合流し、「あそこに一番良い顕微鏡があるから」と大人のディスカバリーのオープンラボへ(従って今日は私自身が展示物でもあった訳)。写真の必要な寄生虫は3種で、1種はB博にないので科博から借用。あとの2種はB博に所蔵されているのだが、1つの種類は収蔵庫のスライドの虫体がとても小さく、やや同定が怪しい。どうしたものかと思っていたらSさんが「展示中のやつでも撮影OKです」というので展示室を見に行ってみると、幸いに大きな虫体の立派な染色標本があった。残り1種は琵琶湖固有種で超普通種(ほとんど全種の魚に幼虫が付いている)のラフィダスカリス。ところが、こういう普通種に限って博物館の所蔵標本はあまり多くなく、特に成虫がいない。昔アマゴマスからたくさん取れたけれどあの標本どうしたっけ、大学にあるかなあ…と思っていたら、Sさんが持ってきた一回り大きな瓶に成虫が何匹か入っていて「m-urabe同定」のラベルがついている。忘れていたが成虫標本の一部をB博に送っていたらしい。偉いぞ過去の私。ということで必要な標本が全て揃い、つつがなく撮影を完了。館内に放牧していたA君Jさんを回収し、道の駅でイチゴワッフルを食べて桜が五分咲きの琵琶湖岸を散歩してから帰路についた。