最近はほとんどの大学で1年生に導入教育をやっていると思うが、そこで「他人に教えを乞う時のルール」というのも教えるべきかなあ、と思い始めた。学生には教員をこき使う権利があるけれど(授業料払っているんだし)、こちらはやっぱり教育をしなければいけないわけで、タダの辞書代わりにされるのは困る。学生が自分で勉強して、将来的には一人で問題解決できるようになるのが理想だが、当然最初からそんな風にはできないので教育機関がある。教育する側としては、知識を教えるよりも、わからないことが発生した時の調べ方、問題の解決の仕方を教えるのが優先事項だ。まずは自分で調べて、それでもわからなかったら遠慮なく聞きに行けばよいのだけれど、その時には「辞書に似たような言葉はありましたが、この言葉がどうしても見つかりませんでした」とか、「○○科の昆虫だということまでわかりましたが、その先はよく似た種類が多すぎてわかりませんでした」とか、自力でどこまで辿り着いたのかをちゃんと伝えなければならない(なお、後者の例は、専門家に生物の同定を依頼する時には必須のマナー)。そういう自己解決努力なしに、あるいは努力したことを伝えずに、ただ「教えてください」と来られたら、大部分の教員は「自分で調べなさい」と言うしかない。