サケなぜ増える

授業ネタで、千曲川のサケの遡上調査結果を毎年見ている。2009年に宮中ダム・西大滝からの放流量を増加してから.下流側の宮中ダムでは遡上数が年々順調に増えてるらしい。信濃川河川工事事務所による昨年度調査結果の報告書の一部はこちら↓
http://www.hrr.mlit.go.jp/shinano/shinanogawa_info/mizukan/pdf/29th-01-2.pdf
ところで、ダム下流での遡上数は順調に増えているものの、この個体数は信濃川水系全体の漁獲数(2〜3万)からみると2〜4%程度で、微々たるものだということがわかる。大部分の個体はもっと下流か、支流で漁獲されているのだろう。そして、水系全体の漁獲数はここ6年ほどはあまり変化がない。つまり、放流の増加によって「より上流まで遡上する個体が増えた」のであって「サケの個体数が増えた」とは(今の段階では)言えないことになる。しかし、そうだとすると、なぜダムまで遡上する個体が「年々増えている」のか、よく理解できない。サケは母川回帰するけれど、産卵場所(もしくは放流場所)まで正確に覚えているものなのかしら?上流で生まれた(あるいは、放流された)個体は、産卵の時により上流まで上る習性があるのかな?