ソウル泊。S野先生が、10年ほど前に自然復元された清渓川を見に行こうと提案して下さり、見学の機会を得た。

もとは高架道路に上面を塞がれた暗きょだったというが、現在は都会のウォーターフロントとなっている。岸に自生したと思われるヤナギの若木もかなり伸びていた。両岸の大礫はほぼ全部固定されているようで、そのせいか底生動物は今一つだったが、魚は種類・数とも多く、とても賑やかだった。

何よりすごいなと思ったのは、これだけ多くの人が集う川でありながら、清掃が徹底されていてほとんどゴミが目に付かないこと、魚やカモに餌をやる人がいないこと、ニシキゴイが泳いでないことだ。川に対する市民の意識もかなり高いのではないかと思われる。今の日本で同じような都市部の自然再生を行ったら、早晩ニシキゴイの放流(もちろん善意)と餌付けとその他飼養生物の放流(捨て魚)が始まるんじゃないかと思う。タマゾン川どころではなくなるかも。

外来種放流禁止の看板。やっぱり不届き者はいるようだが、実際には「バスかな?」という怪しい魚を1回見ただけで、金魚やアカミミガメはいなかった。看板の効果はまずまず出ているのだろう。

近くの市場街へ行くと、アーケードの中に眩しい明かりがともり、屋台がずらっと並ぶ賑やかな通りだった。一同、一も二もなくここで晩ご飯を取ることに同意し、町食堂の一件で食事。店頭で販売していた韓国風のり巻きには「麻薬のり巻き(?)」と日本語表示があったのだが、店内では日本語はまったく通じず、中国語と英語のメニューを頼りに注文。チヂミやビピン麺、麻薬のり巻きなど、どれも庶民的価格でおいしかった。