寄生虫学会のサテライトミーティングとして毎年実施されている「寄生虫生態疫学談話会」の世話役をしてこられたK野先生が来年3月で定年を迎えられるので,引き継ぎのため浜松を訪問した。それにしても,今年度はK野先生に加えて,もう一つの寄生虫自然史系談話会である「形態分類談話会」で長年活躍してこられた大分大学のH谷川先生もご退職であり,両談話会がぐっと寂しくなりそうなのが心配である。まあ,きっと皆さま退職しても学会と談話会には出席して下さるとは思うけれど。
それにしても若手寄生虫研究者のリクルートが芳しくない。分類学はまだ少数いるが,生態学となると,寄生虫学会に参加している若手がほとんどいない。これは両学会にとってあまりよくないことであると思う。生態学から寄生虫学に入った人は,ストーリーの面白さや解析方法のスマートさは寄生虫学よりはるかに上だが,寄生虫の分類を始めとする基礎知識や,研究手法の常套手段には疎いことが多いし,逆に医学寄生虫から始めた人は,大量の疫学データを集めてもそれをどう解析し,解釈するかよくわかっていないことがある。というわけで,若手寄生虫研究者の皆さん,寄生虫学の基礎について勉強すると同時に,寄生虫学会での生態学的研究レベルを今日並みにアップデートすることを目指して,是非是非生態疫学談話会にご参加を。次回は3月20日に東京で開催なので生態学会とバッティングするが(泣)。
お土産はやっぱりこれ一択。