最近、巷に、バターとマーガリンでバターだけにアリがたかっている写真を出して「アリはマーガリンを食べません!」のような見出しを付け、マーガリンが危険な食品であるかのように煽るサイトが出回っています。アリの多くは肉食なので、単に多少のタンパク質を含むバターによく誘引されるだけだろうとは思っていますが、マーガリンを食べないかどうかは知らなかったので、実際にやってみることにしました。なお、バターを食べることは小学校時代の自由研究で確認済み(笑)。
10時35分、実験開始。選択肢はマーガリン(雪印ネオソフト)、サラダ油(日清キャノーラ油)の2つ。薬のケースに入れて、アリの巣の近くに置きます。
アリは種類によって餌の嗜好性が違います。うちの種類はよくわかりませんが、1mmぐらいの小型です。小学校の自由研究の時も、バターやコンビーフなどの脂肪の多い餌によく誘引されたのはこんな小さいアリでしたから、まあいいでしょう。2つのアリの巣穴に挟まれた中間に餌を置きました。
実験開始後4分。マーガリンに探索アリが来ました。同じ頃、サラダ油の方にも探索アリが来ています。
実験開始後5分。もし全然アリが来ないと困るので、ポジコンとして確実に来そうなハムの脂身を追加しました(矢印)。黒いのは砂粒です。ちなみに地元メーカーの特売品ハムで、添加物としてリン酸塩、増粘多糖類、酸化防止剤、コチニール色素、発色剤等々が使用されています。
実験開始後9分(ハム追加後4分)。さっそくハムにアリが動員されました。さすがに肉には反応が速いです。ところで、マーガリンとサラダ油の方はどうなっているでしょう?
実験開始後11分。マーガリンの方にも動員が始まりました。なんだ、マーガリンも普通に食べるじゃないですか、アリ。
実験開始後13分。ハムには及びませんが、マーガリンもそこそこ集客効果があります。サラダ油は人気がありませんが、ハムやマーガリンが食い尽くされた後まで観察しなければ、ホントに「食べない」のかどうかは判断できません。
実験開始後25分。ハムはアリで真っ黒、マーガリンにも来ています。サラダ油にも少数が来るようになりました。ただ嗜好性に劣るだけで、まったく食べない訳ではなさそうです。
実験開始後1時間。マーガリンとサラダ油が同等ぐらいのアリ密度になりました。動員は少し遅いですが、植物性油脂も特に嫌うことなく食べるようです。
というわけで、あっさり結論が出てしまった今日のじゆうけんきゅうでした。
追記。外出から帰宅して撮影、実験開始から6時間後。
ハムは既に見当たりませんでしたが、マーガリンはまだ大盛況でした。容れ物を回収して捨てるつもりだったのですが、アリだらけで手が出せません。