チャニー湖魚事情

午前中、風は昨日と変わって北になり、予報通りだいぶ涼しくなった。午前中は30℃以下だった。午前中にアオガラの群れを見る。
パソコンに入っていた講義PPTをかき集めて魚のレナさんに日本のフナの写真を見せる。流石に形態の専門家で、ニゴロブナの写真を見せると一発で口の形の違いを理解した。口が上を向いているので落下物食いだろうという。
チャニー湖のフナの写真を見ると、ここらで「金のフナ」と呼ばれるヨーロッパブナCarassius carassiusはなるほど日本のキンブナなど目じゃないほど黄色い。しかも、一昨日の謎ブナのような寸詰まりのもけっこういる。こうしてみるとフナの体型って種類というより生息場所で決まるものなのかしら。

それから、チャニー湖の魚には越冬場所に2タイプ(河川で越冬するものと氷の下の塩水層で越冬するもの)があってそれぞれ形態分化しているのだとか、C. carassiusもC. auratusも、このへんの小さな水塊では3〜5cmで成熟してしまうこともあるとか、いろいろな話を聞く。この辺の魚は生殖隔離に関してはかなりアバウトで、ローチとアイデ、ブリームと何かはそれぞれ属間雑種を作ってしまうらしい。普段は解氷後の産卵タイミングの違いで交雑が避けられているのだが、年によってはそれが重なってしまい、雑種がごっそり出現するそうだ。あと、化学物質を溶け込ませていない純水が魚の繁殖行動を誘発するという研究成果があるそうで、それならば雪解け水で産卵するチャニーの魚も雨の後産卵する日本の魚も同じ刺激なのではないかというレナさんの見解も聞いた。
午後はまた暑くなり、温度計は32.8℃。そろそろ自室に撤退かと思っていたら、小雨がぱらついて突然涼しくなり、25.8℃まで低下したので午後も作業を継続することができた。雨はすぐ上がったが気温は31℃どまり。なんとか活動出来る気温である。
夕方、ツバメの群れがチョウゲンボウに蹴りを入れているのを見る。