写真大会の日

実験に使っているセルカリアの写真撮影担当。

Echinoparyphiumはセルカリアでもきちんと冠棘がある(ただし明視野では見にくい)。でっかいので排泄系統もばっちり見える。日本でEchinoparyphiumって呼んでいるのはもっと小さいはずだし、ほんとに同属かしら。

Plagiorchiida(多分Plagiorchis elegans)は日本にも分布するはず。体全体に顆粒が多くてCercaria cretaにちょっと似ている。この辺には他にも同科が3種類いる由。
S先生から、モノアラガイの中にいるシンビオントのミミズを見せてもらう。これは日本のカイヤドリミミズとは違い、体の先端に口が発達していて、セルカリアを丸のみする強力な捕食者である。回りにセルカリアを泳がせてやると首を伸ばして積極的に機会をうかがい、ヘビが卵を飲むようにすぽっと飲み込む。これ凄いな。
夕方、顕微鏡がふさがっているので双眼鏡片手にフラフラしていると寄生虫レナさんにまたつかまってセルカリア話。カワニナには何種類の科のセルカリアがいるか等々質問される。レナさんはセルカリアの標本をバルサムマウントせず、カーミンで染めてグリセリン封入だけしているという。この方がシッポがとれないのだとか。これでも10年以上もつらしいが、標本を見せてもらったところ、やはりほこりがくっついて汚れやすそう。研究用の当面の標本はこれでもよさそうだが、博物館に寄贈したりするのには向かない感じがする。
夕方、サーシャさんがボートで鳥見に連れていってくれた。鳥を見るとサーシャさんがその学名を叫ぶのだがほとんどわからない。せめて英語ならもうちょっとわかるんだけれど。カモで判別出来たのはコガモだけ。猛禽類はいつでも何種類かいるみたいで、今日見たのはチュウヒとなにかのワシ(多分カラフトワシ)。アオサギダイサギ、カモメはやたらにいる。珍しいところでは初めて見たサンカノゴイ。
帰る寸前にハイイロペリカンが1羽頭上を飛翔、すかさずサーシャさんが200ミリぐらいのカメラを構えてみごとに撮影した。あの大きさのカメラを三脚も使わず、一瞬で飛翔している鳥を視野に入れるのだから、ものすごい名人芸である。