メルボルン3日目

昨日、パワポファイルに関して2度のトラブルに見舞われながらも(何も悪いことはしていないのに…)なんとか口頭発表を済ませ、今日からはゆっくり人の講演を聴く。ニュージーランドのPoulinのグループによる吸虫の生活史可塑性の話が面白く、終宿主の存在を知らせる臭い刺激がないと、第二中間宿主中で成熟し、終宿主を端折ってしまう種があるという。私は、寄生虫の生活史はかなり”保守的”だと感じているので、こんなケースは珍しいのではないかと思うが、寄生虫の生活史を検討する際には一応頭の隅に置いておいた方がよいのかもしれない。
昨日・今日とも、分類・生態学系のセッションはなぜかとても狭い会場に割り当てられていて、立ち見する場所もないほどのぎゅうぎゅう詰めになることも珍しくない(座長のPoulin氏はティーブレイクに怒りまくっていた)。どうも、オーストラリアの寄生虫学会はマラリア研究ばかりが幅をきかせていて、基礎生物学が隅へ追いやられているらしい。
ポスターセッションで、栃木のK先生に久しぶりにお会いする。お父様(故人)の蔵書の片付けに困っており、引き受けてくれるところを探しているというので、一度見に行く約束をする。分類学も囓っている身としては、古書籍はお宝の山であるからして、捨てるなどはとんでもないこと。
ホテルへ戻ってメールを開けると、こんなときに限って師匠から矢継ぎ早に論文訂正の指示がはいり、おまけに米国の分類学の大家O教授からも、送ったサンプル分析の速報が届いていて、急いでお礼のメールを出した。ICOPAの方に来ていないと思ったら、メキシコ湾の原油流出事故に関するミーティングなどに忙殺されているらしい。