今日のニュースはこれ。朝日新聞から。

琵琶湖で大量死のイサザ、高濃度ヒ素検出 愛媛大など

http://www.asahi.com/national/update/0511/OSK201005110135.html

論文はこちら。しかし、イサザと比較したもう一つの生物は何ぞ。

http://www.terrapub.co.jp/onlineproceedings/ec/02/pdf/ERA20.pdf
食物・飲料水のヒ素の基準値や摂取の実態はこちら。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/pdf/chem_as.pdf

ヒ素そのものは環境中に広く分布しており、私たちも昨年琵琶湖の魚類の重金属分析をやってみたところ(ただし、イサザはやっていない)ちょくちょく検出された。もちろん、ヒトが摂取して危険なレベルの濃度は出ていない。上記論文によると死亡イサザのヒ素濃度は数十ppmというところなので、これで中毒死するレベルなのかというとちょっと疑問かもしれない。それから、重金属濃度は魚の組織によっても軽くオーダーレベルで濃度が違うし、寄生虫の有無によっても変わる。この結果は魚体を丸ごとホモジナイズして得たようだが、生きたイサザと死んで湖底に転がっていたイサザでは当然各組織が体重に占める割合も変わってくるだろうし、もうちょっと細かいデータを得る必要がありそう。