日本はんざき研究所

B君と、彦根からざっと4時間ほどかかる場所にある上記研究所へ行った。我々の到着を、ここの主であるハンザキのオーソリティー、T本先生と、カジカとオオルリの声(あとでジュウイチも)のコーラスが迎えてくれた。
T本先生は、数年前まではH路市立水族館の館長をされていたが、退職後に、ご専門のハンザキ調査地の中心にこの研究所を構えられた(廃校になった小学校を借用している)。現在は研究を思う存分楽しみつつ、研究所をミニ水族館にして、小学生の環境学習や地元のエコツアーの会場として提供しておられる。私は九州で既にT本先生とは面識があったのだが、九州の某会議の席に比べ、研究所での先生は数十倍もハツラツとしていたような気がした。なにしろ、研究所の前の橋の真下の淵にハンザキが住み着いていて、橋の上にイスを置いて一日中観察ができるし、庭先の池にはモリアオガエルがたくさん産卵に来るような環境である。
私達はハンザキ虫調査の打ち合わせに行ったのだが、T本先生の研究スペースの他に、レクチャールームや展示の充実が想像以上であった(満一歳のハンザキの幼生のかわいいこと!)。水族館長としての長年のご経験を生かしつつ、ご自分が本当に好きな生物の展示を楽しみながら作っておられるのだから当然かもしれないが、次は博物館実習生を受け入れていただけないものかと真剣に思った。博物館人として超ベテランである上に、根っからのフィールドワーカーであり、かつ地域の活性化にも協力しておられるT本先生に、山奥の研究所でマンツーマンで鍛えていただいたら、どれほど実力が伸びることだろうか。
先生から、ハンザキ生息地の近くでカワニナのいそうな場所の情報を教えていただき、徒歩とタクシーの乗り継ぎでB君と貝を探す。残念ながら、本川カワニナはごく少なく、見つけるのがかなり骨だった(T本先生の話では、3年前の台風の影響がまだ残っているらしい)。この川は置いておいて、まず他のハンザキ生息地を当たってみるべきかもしれない。
今日は7,8kmは歩いたはず。久々にまともな運動をした。

穴の中のちびさんトリオ.パイプの内径は2cm程度です.